半導体や電子部品が実装されるプリント実装基板は、負荷変動やON/OFF周期等の温度変形による基板の反り変形により、基板や実装部品に繰り返し応力が加わり接続信頼性に影響を及ぼす。これらの課題解決のために温度サイクル試験等の環境試験法やシミュレーションによる構造解析が行われるが、温度サイクル試験条件(保持温度や時間)によって評価期間が長期化する場合や、過酷な試験条件の適用によって市場環境の再現にならない場合もあり、事前に反り変形量を計測し試験条件を最適化する必要がある。またシミュレーション結果の精度が不十分な場合もあり、正確な反り計測による検証が重要となる。実測値を得る手法としてデジタル画像相関法(DIC : Digital Image Correlation)を用いた3次元熱変形計測法(以後、3DDIC)があり、本報告では温度環境下において3DDICにより試料の3次元形状やXYZ方向の変位量を計測可能な装置を開発し、温度環境下のプリント実装基板の反り変形量を調査した。またプリント実装基板の温度サイクル試験時の寿命と、反り変形量との相関性を検証した。
なお、本文の内容は、2024年3月14日に、一般社団法人エレクトロニクス実装学会主催 第38回エレクトロニクス実装学会春季講演大会にて報告した内容を一部追記、再構成したものである。
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