信頼性試験は、お客様の手元に届く製品を安心安全にご利用いただくために欠かせない非常に大切な工程です。世界で、日本製品が絶えず注目され続ける背景には、信頼性試験で裏づけされた「品質」が評価されているからだと思います。この品質向上を図るために、ESPECでは、大学や企業の方と連携して新しい試験技術の開発を進めています。
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環境が影響する信頼性は、周囲の様々な環境の変化によって引き起こされる故障発生のことを言います。例えば、機器の負荷変動、ON/OFF周期による温度変化、昼夜および季節的な湿度変化、機械的な振動や衝撃、その他にはガスや塩水などの腐食性物質の影響などが代表例です。これらの中で、構成材料の熱的不整合による熱疲労による故障や水分の吸着による故障は、近年の高密度化された電子機器の故障として多く見受けられます。 最近の電子機器は厳しい環境に晒されています。例えば、マイクロプロセッサのON/OFFによる発熱温度差によって熱疲労故障を誘発します。また、携帯機器や車載エレクトロニクスの場合、温度や振動などが複合した厳しい環境が電子部品に加わることも故障を誘発しやすい環境です。さらに、環境規制などによる材料の変更による信頼性上の課題や、微細化による新たな問題が起こっております。
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信頼性試験に関する最近の話題は、RoHSやREACHなど環境規制強化に伴う、鉛フリーはんだや導電性接着剤など新材料の評価や モジュール基板など「半導体と実装」が結びついた新技術への対応、 カーエレクトロニクスなど過酷な市場環境への対応、国際調達部品の信頼性確保などがありました。 それに伴い信頼性試験技術も徐々に変化してきました。図1に示すように、1940年代頃からは使用環境を模擬した「環境および耐久性試験」が行われてきましたが、この試験は、比較的長時間を要するため1970年代頃から短時間の試験で試験結果を予測する「加速試験」が一般化してきました。 1990年頃になると、ストレスを与えている最中に物理量を同時に観測し、正確な故障時間や故障特性を把握したりする試験方法や、複合したストレスを与え製造上の欠点や弱点を促進する複合環境試験の考えなどを含めた「故障検出試験技術」が定着しつつあります。 今後は、試験データや故障情報が高度にデータベース化し、それに基づいたシミュレーション技術を駆使した「寿命予測技術」が期待されています。 |
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弊社では、産学官連携による共同研究(表2)や、民間企業同士による共同開発などで新しい信頼性評価技術を開発しております。
最近では、鉛フリーはんだや導電性接着材の環境規制に伴う新材料に対する接合信頼性技術開発、シロキサンなどの腐食性ガスの評価技術、ウイスカなどの新たな故障に対する評価技術の開発を行っております。
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