従来、市場での不具合を再現するために、実環境に存在するシリコーンオイルやシリコーン性の樹脂・ゴムなどを発生源として用いて、評価を実施していました。この評価方法は、現象の確認はできるものの、再現性のばらつきが大きく、定量的な確認やロバスト性を評価することが難しいという課題を持っていました。この主な原因は、周辺温度を上昇させることで、シリコーン化合物からガスを発生させるという手法をとっていたので、ガス発生量が一定でないこと、ガスが偏在してしまうことなどが考えられていました。また、シロキサンガス濃度が実環境よりも高くなる可能性も懸念されていました。 そこで、温度条件によらず、シロキサンガス濃度を一定に保つことのできる環境評価装置「シロキサン耐久試験器」を開発しました。この装置はマスフローコントローラーを用いて、濃度を制御できるところが特徴で、従来のものに比べると、シロキサンガス濃度を安定に保持することができ、時間や場所によっての濃度のばらつきが従来よりも非常に軽減されました。
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