昨年度開催いたしましたフォーラムの様子を報告させていただきます
■ フォーラムの概況
2008.11.04(火) 東京(ベルサール神田) 121名
2008.11.19(水) 大阪(大阪国際会議場) 127名
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■ 講演内容
カーエレクトロニクスにおける実装技術/事例紹介 セミコンサルタント 代表 上田 弘孝 様
ハイブリッド自動車の普及や電気自動車の開発は、原価高騰や環境対策にとって重要なプログラムである一方、半導
体業界にとっても半導体の使用量の大幅増加が期待される市場分野です。しかしながらこの分野の半導体・実装技術
に対する技術要求は、ベールに包まれています。本講演では、自動車の根幹技術であるエンジン・ECUとカーナビゲー
ション・パーソナルナビゲーション・デバイスの実機分解解析の事例を紹介し、半導体・電子部品の実装技術とその変遷
を見ながら、技術要求を検証しました。(右上写真参照)
鉛フリーはんだ実装のウィスカ対策および高温・高信頼性はんだの開発へ向けて 大阪大学産業研究所 教授 菅沼 克昭 様
鉛フリーはんだは、Sn-Ag-Cuを標準はんだとして民生機器の実装材料として広く定着しました。ここに来て、民生機器においても高信頼性が求められはじめました。宇宙航空機器、車載機器、通信・インターネットなど、社会情報インフラを形成する機器の一層の高信頼性が必要な分野での技術開発が強く求められます。本講演では、焦眉の技術であるウィスカ対策、耐熱性、高信頼性化、さらには実装における熱ダメージを極力避けるための実装可能状況を紹介しました。
蓄積疲労振動試験システムによる振動条件の導出と評価精度の向上 大阪府立産業総合研究所 主任研究員 中嶋 隆勝 様
企業の安全や安心に対する社会的ニーズの高まりとともに、振動耐久性を検証する重要性も高まりつつあります。一方で原油・鉄鋼価格の高止まりなどから、積極的なコストダウンが必要となり、新たな取り組みが求められています。しかし、従来の振動試験方法は合否判定をベースとしたものが多く、高い評価精度を追求した試験方法は少ない状況でした。開発した「蓄積疲労振動試験システム」は製品・部品・ブランケットなどにある非線形振動伝達にまつわる問題点を顕在化することが可能となり、試験精度そのものを向上させることができます。本講演では、顕在化された問題点を紹介するとともに、振動試験の評価精度がいかに向上するかを蓄積疲労スペクトルを用いて定量的に示しました。
■講演に関するご感想
・カーエレクトロニクスの実装動向が良くわかった。ウィスカの講演もわかりやすく良かった。■フォーラムに関する全体的なご意見
今回のフォーラムに対するアンケート結果より、ご参加いただいた6割以上の方から、満足、やや満足、との回答をいただきました。ありがとうございます。
自由回答では、「概要の講義から信頼性問題へと判りやすい講演のシナリオだった」「非常に内容が充実しており参考になった」「実物展示があり、資料のイメージがつかみ易かった。」など好意的なご意見をいただくことができました。
一方、「発表内容のレベルが高く、理解しにくい内容もありました。導入部分に初心者向けの説明をしていただけると理解し易いかと思います。」「もう少し基礎的な内容ももりこんで欲しい。」といったご意見もあり、ベーシックレベルを含む解説をさせていただく機会も望まれていることも明らかになりました。
運営面に関しては、時間配分でやや短いと感じられたお客様がいらっしゃったことから、内容やプログラム企画、進行面を今後の検討課題としたいと考えております。
また、「テキスト」については、内容の充実度は高かったというご意見をいただく一方で、「データと資料が一致していなくてよくわからなかった」との声が数件あり、追加資料の配布などの配慮が不足しておりました点をご指摘いただきました。
最後に、今回の講演テーマでありますが、業務に参考になると評価いただいたテーマは、「鉛フリーはんだ実装のウィスカ対策および高温・高信頼性はんだの開発へ向けて」が最も多く、ついで、「カーエレクトロニクスにおける実装技術/事例紹介」「車載実装の動向と信頼性評価」「蓄積疲労振動試験システムによる振動条件の導出と評価精度の向上」でした。お客様にとって、鉛フリーはんだやウィスカといった事例に多く注目があつまっていることを再認識いたしました。また、評価対象別に、講演内容を見てみると、振動試験はパワーモジュールや情報通信機器などセット品を試験されている方の興味が高く、逆に、カーエレクトロニクスにおける実装技術はプリント基板や電子部品を対象としている方に身近に興味を持っていただけたと考えており、今後のお客様のニーズに合わせた情報発信が期待されている様子が伺えました。
今後も、よりご満足いただけるフォーラムを企画、運営できるように努めていきたいと思っております。(事務局)
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