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温度サイクル試験/熱衝撃試験の効果比較検証 その2

Abstract
 近年、自動車の電動化や自動運転の開発が急速に進んできた。車載部品の取引はグローバルに展開されており、海外のサプライヤーの信頼性試験条件にも対応する必要がある。中でも温度サイクル試験と熱衝撃試験では試験方法が異なり、対応が必要であるが,試験方法の違いによる試験結果への影響は明確に示されていない。そのため、本研究では、2つの試験方法の違いに着目し、故障メカニズムと寿命評価への影響とそれらの相関関係を検証した。本報告は第32回秋季信頼性シンポジウムで報告した「温度サイクル試験/熱衝撃試験の効果比較検証」の続報である。
 なお、本文の内容は、2020年11月 日本信頼性学会主催「第33回 秋季信頼性シンポジウム」にて報告した内容を一部追記、再構成したものである。

 

温度サイクル試験/熱衝撃試験の効果比較検

Abstract
 近年,自動車のモーター化と自動運転の開発が急速に進んでいる.自動車用の電子機器の増加や性能の向上,車外への搭載場所の拡大など,さまざまな検討要素があるが,自動車用電子機器のはんだ接合などによる信頼性や耐久性については,まだ多くの問題がある.また,自動車部品の取引はグローバルに展開されており,海外のサプライヤーの信頼性試験条件にも対応する必要がある.なかでも,温度サイクル試験と熱衝撃試験の試験方法は異なり,対応が必要であるが,試験方法の違いによる試験結果への影響は明確に示されていない.そのため,本研究では,2つの試験方法の違いに着目し,故障メカニズムと寿命評価への影響とそれらの相関関係を検証した.
 なお,この技術レポートは,2019年11月に開催された日本信頼性学会 第32回 秋季信頼性シンポジウムで報告した内容を一部追記,再構成したものである.

 

電子回路の耐用寿命推定の考え方

Abstract
昨今の電子応用商品の短寿命問題に関して、今回改めて電子回路の耐用寿命を予測する方法を事例を挙げて解説した。
具体的にはまず寿命予測のためのステップを図示した。最初に顧客の期待寿命(使用時間)に対する許容の累積故障確率即ち寿命目標値を設定した。
次に電子回路に搭載している電子部品の中で目標値を下回るもの、或いは同程度の部品を机上で推定した。推定には予め保有している各故障モード毎の加速式を用いて行った。ここで、抽出された短寿命と推定された部品に対して、改めて加速寿命試験を行い寿命予測を行った。今回はフィルムコンデンサを事例に浸入した湿気による水分と印加電圧による電極(フィルムの上の蒸着電極)の陽極酸化で容量が低下する事象をアイリングモデル式を用いて寿命を予測した。
最終的に、抽出した電子部品の寿命予測結果とはんだ接続部および基板の寿命予測結果を合わせて電子回路の寿命予測を行った結果、寿命目標値に到達しない炭素皮膜抵抗をメタルグレーズ皮膜抵抗に変更して目標値をクリアできた。

 

Abstract
50号「はんだ接合部の熱疲労試験に及ぼす温度変化率の影響」 では、はんだ接合部の熱サイクル試験において,気槽式から液槽式までの温度変化率の違いが、寿命評価に影響する場合があり、その相関関係を確認したが、原因については詳しく明らかにされていなかった。本稿では、その原因の一つが基板のひずみ挙動であると仮定し、検証実験により、調査検討した結果を報告する。<> なお、本レポートは、第37回信頼性・保全性シンポジウム(日本科学技術連盟主催、2007年開催)での発表論文に加筆したものである。

 

Abstract
導電性接着剤は、低温での実装、あるいは150℃以上の耐熱実装などの優れた特色を持つために実装技術として注目されている。その一方で、導電性接着剤特有の故障モードとして、高湿環境におけるスズめっき部品との電気的導通劣化によるオープン故障がある。しかしながら、それを評価する方法や試験条件が決まっていない。そこで著者らは、高湿環境によるオープン故障を検出可能な評価パターンや故障検出方法を開発し、それらを用いて導電性接着剤と各種めっきの耐湿性評価および導通劣化が見られたスズめっきとの湿度加速性を調査したので報告する。

 

Abstract
導電性接着剤実装による評価基板を用いて,各種環境ストレス条件下における,電気的および機械的劣化要因から接続信頼性試験方法の検討を行った。その結果,導電性接着剤実装の接続信頼性試験は,環境ストレスとして恒温恒湿試験および温度サイクル試験が有効であり,故障判定条件として,電気的特性と機械的特性の両方の判断が重要であることがわかった。

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これまではんだ接合部の接合性試験において,温度変化率の影響について詳しい研究はなされてこなかった。46号(「はんだ接合部の温度サイクル疲労に及ぼす温度変化率の影響」,2006年7月3日発行)に続いて,その影響を調査した。温度変化率の条件は,市場環境に即した15℃/min(IEC 60749-25準拠)から,液槽式熱衝撃の範囲までの実験を行い,それらの相関関係について検討した。

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はんだクラックの評価方法として,断面解析の軽減,故障判定までの時間短縮を目的として,チップ抵抗のはんだ接合部を対象に温度サイクル試験を実施し,試験と併行し,はんだ接合部の微小抵抗値を測定した。また,せん断強度試験による残存強度の測定と断面観察によるクラック進展レベルの確認により,微小な抵抗値の変化によって,早期に寿命の有意差を見いだすことが確認できた。

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国際規格制定を受け、従来注目されることが少なかった温度サイクル試験の温度変化率に注目し、BGA、QFPのはんだ接合部を試料として比較試験を行い、はんだ接合寿命と故障モードについて検討を行った。

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導電性接着剤はその低温実装性と環境調和性という優位点から、従来のはんだ実装に代わる次世代実装技術として注目されている。そこで本報告では、導電性接着剤の信頼性に注目し、その接合信頼性の評価として温度サイクル試験を行い、絶縁信頼性の評価として耐湿性および耐マイグレーション試験を行った。その結果、本実験条件では、接合信頼性、絶縁信頼性ともに従来のはんだ同等の信頼性があることがわかった。

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これまで、はんだ接合部の評価方法として温度サイクル、複合試験についての有効性を検証してきたが、車載用機器に代表される、周波数帯域が広く振動レベルの高い環境における実装基板の振動負荷による破壊メカニズムの定量化は、計測上の課題も多く困難であった。しかし、今後試験方法による加速やシミュレーションの精度を上げるうえにおいて、破壊メカニズムを定量化することは不可欠である。本報告では、振動レベルの高い車載用機器においても、振動ストレスが最も増大する共振時における故障モードの定量・可視化を行ったので報告する。

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トラッキング現象による事故は火災へとつながる問題であり、事故例は後を絶たない状況にある。評価にはいくつかの試験規格があるが、複合した要因があり、すべてに対応し得るものではない。本報告ではトラッキングの発生に関わる基本的要因の影響について調べたので、その結果を報告する。

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本稿では、はんだクラック発生要因の一つであるはんだ粒界の粗大化について、機械的、熱的ストレスの両面から検証した。その結果、はんだ粒界は両ストレスにおいて粗大化し、熱的ストレスの方が大きく影響することがわかった。また、粗大化にしたがってはんだ強度が低下することが確認できた。

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本稿では、この熱ストレスの影響を確認するため、冷熱衝撃試験(温度サイクル試験〔気槽式〕、熱衝撃試験〔液槽式〕)を実施し、銅めっきスルーホールの特性値の変化と、断面観察とにより故障の発生メカニズムについて解析したので報告する。

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