Test Navi Report

エスペック技術情報
『Test Navi Report』 No.1 (通巻58号)

 

エスペック株式会社 代表取締役社長 進 信義


 お客様各位におかれましては、日頃よりエスペック技術情報をご愛読賜りまして心より厚くお礼申しあげます。おかげさまでエスペック技術情報は1995年の創刊以来、57号まで発行を続けることができました。これまでエスペック技術情報には、多くのご質問やご意見をいただき、私たちの活動が、ものづくりに関わる皆様方の製品品質を維持・発展させていくパートナーとして、日々貢献させていただいていると深く感じております。
そしてこのたび、「技術者のための環境試験情報」のさらなる充実を図り、技術者のための信頼性試験情報サイト「Test Navi (テストナビ)」としてリニューアルし、「エスペック技術情報」も装い新たにすることとなりました。今後どのように信頼性を維持するか、その解決の糸口へと繋げていくためのお手伝いができればと考えております。

 日本のものづくりは、今や世界が注目する先端技術を輩出していると思われますが、昨今のグローバル社会においては、さらなる品質力や信頼性の向上が成長の鍵となることが少なくありません。また社会問題として、製品 の寿命末期に関わる安全性の問題や、様々な痛ましい事故を通して、未然防止技術の確立が強く望まれるようになってきております。 こうした社会的ニーズに応えていくためには、技術的な取り組みはもちろんのこと、未来を担う人材の育成が必要不可欠であると考えております。品質や信頼性の確立には、様々なノウハウや経験、学術的知見など多岐にわたる幅広い知識が必要となります。 そのため、できる限り学びの機会を提供させていただくことも、弊社の社会的使命であると感じています。
 「Test Navi (テストナビ)」では、これまで以上に信頼性技術情報の提供や、具体的な試験方法の紹介を積極的に行い、双方向のコミュニケーションを目指す予定です。こうした私たちの取組みが、ものづくりにご活躍される皆様の一助になりましたら幸いでございます。今後ともよろしくご愛顧のほどお願い申しあげます。

明星大学 名誉教授 大塚寛治


 本編は、『エスペック技術情報』56号、57号からの連載です。
連載3回にわたって、信頼度的問題現象が起こる深層を深くドリルするガイドを示すことを目的に、概念を分かりやすく記述しようと試みました。まず、材料の強度や寿命を原子レベルで判断しようとし、そのため材料の原子の結合ポテンシャルエネルギに注目しました。今までの考えを実用的に利用する方法について解説します。(最終回)
 

筆者 プロフィール


京都工芸繊維大学工芸学部窯業工芸学科卒業後、東京工業大学工学博士取得。

34年間、(株)日立製作所半導体事業部とコンピュータ事業部に所属し、半導体の草分けとコンピュータの草分けを経験、初期は半導体デバイスを手がけていたが、その後は材料、部品開発、サブシステム開発を行ってきた。半導体デバイス、その製造プロセス、パッケージ技術、コンピュータシステムハードウエア、実装技術、電子回路技術などあらゆる部門を経験し源流からシステムまでを概括できる知識を得ている。最近の研究はGHz帯高速ディジタル信号処理の研究を主としているが、かつての材料化学的な知識を加えた教育指導も行っている。
参加学会:IEEE、American Chemical Society、IMAPS、電子通信情報学会、応用物理学会,エレクトロニクス実装学会、 日本化学会

 

 

エスペック株式会社 技術開発本部 平田拓哉・田中浩和


 導電性接着剤は、低温での実装、あるいは150℃以上の耐熱実装などの優れた特色を持つために実装技術として注目されている。その一方で、導電性接着剤特有の故障モードとして、高湿環境におけるスズめっき部品との電気的導通劣化によるオープン故障がある。しかしながら、それを評価する方法や試験条件が決まっていない。そこで著者らは、高湿環境によるオープン故障を検出可能な評価パターンや故障検出方法を開発し、それらを用いて導電性接着剤と各種めっきの耐湿性評価および導通劣化が見られたスズめっきとの湿度加速性を調査したので報告する。
 なお、本レポートは、日本信頼性学会 第21回秋季信頼性シンポジウム(日本信頼性学会主催、2008年10月開催)での発表論文に加筆したものである。

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